本日は支柱から木の丸太を使用して製作した木製看板をご紹介します。
お客様の事業所でご利用される木製看板のご依頼を頂きました。お客様の大きなこだわりとして看板の板はもちろんの事、支柱から木の丸太を使用して自然な雰囲気を大切に製作する事。これには色々と問題もあり難しくもありますが、一つ一つ解決しながら進めます。
先ずは支柱の丸太の選定から。榎本銘木店のネットワークで探し出してきたのが、こちらの杉60㎝径の巨大な皮付き丸太
切り口を見ると木目が数えきれないほどに細かく、苦労して育ってきた木であることが分かります。埼玉県内のとある神社境内に立っていた木だそうですので大変由緒ある木ですね。長さは170㎝の高さに仕上げたいので、地中に埋める分を見て240㎝の長さでカット。この木を看板の支柱にするべく全体を磨き上げていきます。
先ずは皮むきから。皮むき用のヘラを差し込んで力を込めてゆっくりと剥がしていくと、このように綺麗に剥けてくれました。もちろんこの状態まででも重労働の末なのですが、無事に綺麗になったのでこれまでの苦労も吹き飛びます。ここから全体を磨いて防虫防腐の塗料を浸み込ませていく作業となります。
そして同時進行で、看板となる一枚板のご提案と選定。この支柱に合うような特徴的な板を見繕ってご提案していきます。
長さ180㎝、幅90㎝から中央の狭い部分で60㎝の荒々しく力強い木目が特徴の楠(くすのき)一枚板を気に入って頂けました。トラの柄のような縞模様もこの木の特徴です。この一枚板ならば支柱の迫力にも負けない存在感となるでしょう。
話戻って支柱の製作は順調に進んで一枚板の取り付け部分の平ら面出し。
しっかりと取り付けられるように大きめに平らを出します。接合の強度を出さなければ風の強い日に吹き飛ばされかねません。台風が来るたびに眠れなくなっては困ります(笑)そしてお届けまで何度も防虫防腐の塗料を全体に塗布していきます。
看板の顔となる一枚板は、彫刻師さんへお願いしていた看板の板の名入れ彫刻も仕上がり、榎本銘木店で色入れと塗装を終えた一枚板。
これで全ての素材が完成しました。今回は支柱から全て榎本銘木店での製作なので、クレーン付きトラックや道具をそろえて、設置作業まで行います。
支柱と看板の板を組み上げて、クレーンで吊るしながら設置。地面下は70㎝コンクリートで固めて足元もしっかりとさせました。コンクリートが固まってガッチリするまで吊りながら固定して、固まった所で完成。いや本当にホッとしました。。
最後に完成後に撮影させて頂いた看板がこちら
ちょっと他では見ない、”木らしさ”満点の素敵な看板を設置させていただきました。お客様の事業と共にこれから数十年ここにあり続けます。あとは白アリ被害だけが心配な所ですが、当店が設置までに十分に浸透させていった他にも、お客様が毎年防虫防腐の塗料を塗布して使用されるとの事でしたので、しっかり行えば相当持つかなと考えます。お客様の強いご希望で支柱から木製の今回の看板を製作することになったのも、お客様による防蟻処理のご協力があってこそ。お客様と一緒に良いもの作り上げました。ご依頼ありがとうございました!
榎本銘木店の製作事例をご紹介しました。この様な品質で展示販売中の一枚板の商品を皆様のご希望に合わせてオーダー製作致します。