延べ20mの無節桧を使用して製作している日本料理店の桧一枚板カウンターの製作の様子をご紹介します。
ズラッと並べられた2m~6mの奈良県産吉野桧。全て無節の一流素材のみを使用して、とある日本料理店のカウンターを製作させて頂く事になりました。
どれも乾燥期間を取って十分に乾燥した素材ばかり。厳選した素材のみを使用して製作へ取り掛かります。
この巨大な板を二枚づつ幅接ぎして80㎝の奥行のカウンターにしていくので、現状の板は耳付きで45㎝程。細い所があったり少し曲がっていたりなので、先ずは慎重に木取りを行って41㎝程度で真四角な板を切り出していかなければいけません。
一枚板の磨き作業から始まります。全ては正確なモノづくりの為
またその前に当店保有のバーチカルプレーナー機械で全体にカンナ掛けをしていきます。はみ出していますが、ずらしながら前面に掛けていきます。
現状はノコギリで製材したままのザラザラ凸凹の表面なので、ツルっとした綺麗な平面の出た表面にした上で、正確に41㎝を切り出して行きます。それにしても4m近い機械の定盤が小さく見える6mの一枚板、写真でどこまで伝わっているか分かりませんが、巨大ですね。
そして正確に41㎝を切り出した後は、また違う機械でさらに艶のある仕上がりにしていきます。まだ加工は初期段階。まだ表面の美しさはそれほどの意味はなさないのですが全ては正確に加工を行っていく為のもの。しっかりと面を出す事で側面の直角の正確さや直線の正確さに繋がり、二枚接ぎの正確さに繋がり全体の美しさに繋がっていきます。
両側に人が立って大変な作業ですが、だんだんと美しくなっていく一枚板を見るのは楽しいですね。
幅接ぎ工程へ。400幅の一枚板が800幅の巨大な板へと変貌します
さて、その後も様々な作業を経て、いよいよ二枚を幅接ぎする段階です。今回のカウンターは正面5.5mで両側で90度折れて2.7mと1.8mコの字となります。トータル10m。それぞれすべて幅接ぎしていきます。
まだカットはしませんが、幅接ぎのペアにラインを引いてしっかりとシュミレーションを行って、ミスの無いように。一枚づつ移動しながら加工を行っているので、左右間違ったり裏表間違えたりの無いように。
幅接ぎは時間との勝負なので慎重に慎重にでも素早く。5.5m用の板も無事に綺麗に二枚接ぎ終えました。色味の違いが無ければ幅接ぎしている事が分からない程ピッタリ接ぐ事が出来ました。満足いく仕上がりです。作業場を占領してしまうので、いつもの一時保管場所へ一旦移動します。
桧は少し時間を経過すると赤の色味が落ち着いてくるので、今現在のこの色は段々と落ち着いて同じ色合いに近づいてきます。桧材の幅80㎝の一枚板は素材として皆無ですから、完成すれば目を引きますね。現在この加工に掛かりっきりで他のお客様にご迷惑をお掛けしておりますがもう数日で完成予定です。終えて工場が開けば直ぐに取り掛かっていきます!引き続き慎重に製作を進めていきます。それにしてもこれ一枚で100Kg程あるので、あまり気軽にアッチへコッチへとは移動できませんね。
ご依頼ありがとうございます。感謝!
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2016年以前のブログもご紹介
榎本銘木の一枚板加工日記 (exblog.jp)