榎本銘木店は当店の一枚板を利用して看板の製作も行っています。
今回は文字部分に金箔押しを使用したり別のお仕事で緑青色での仕上げを行ったので、今回これらを含めた文字彫刻の種類や表面の色仕上げ等、看板製作の様々な手法をご紹介致します。
先ずは
箔押しでの文字色仕上げ。今回は24金の金箔を使用して、店名である看板文字を彩りました。お店の名前に正に「箔を付ける」作業です。
この文字彫刻の彫り方の名前は「かまぼこ彫り」 文字の真ん中を膨らませる手法で文字に立体感と文字の押し出し感が強く出ます。特に今回は金箔で色を出しているので文字の立体感はことさら大きく感じます。もちろん当店で製作したケヤキ一枚板の木目の美しさも、立派な看板を演出するのに大きな役割を果たしています。
次に
こちらは緑青色での看板文字色仕上げ。緑青とは銅のサビ色で、いわゆる青銅色です。
お寺の樋等に使用された銅がサビてこのような色になっているのをご覧になったことがあると思います。
長い時間をかけて少しづつ変化する自然の色の変化の美しさを表現した色です。粒子の荒い塗膜をつくり風合いのある文字色に仕上げました。こちらも「かまぼこ彫り」にて。 右上の赤い落款印は「浮き彫り」文字の周りを掘り下げて、文字が浮き上がるように見える手法です。掘り下げた部分に赤色を入れて印を表現しました。
次は、文字を掘り下げる、「沈み彫り」での彫刻のご紹介。
整ったフォントを彫る際によくこの手法で製作します。今回もご指定頂いたのが画像のような通常の丸みを帯びた文字なので、沈み彫りを採用しました。
文字がぼやけずシャキッとはっきりするので、モダンな雰囲気になります。毛筆体でない場合はこの彫り方が多く、会社のロゴマークなどのイラストのようなものも、この彫り方で対応しています。
次に「薬研彫り」V字彫りの方が分かりやすく、画像のように文字に忠実にVの字に彫り込む手法です。
毛筆体などの表現はこの彫り方が忠実に仕上がります。ご覧の通りトメ・ハネも綺麗に再現されていますね。木製看板らしい雰囲気が素敵なんです。
最後は彫刻手法ではないのですが、木製看板の製作手法として、比較的安価でご依頼も多い手書きでの製作見本。こちら
手書き看板です。データでカッティングシートを製作して貼り付けるのが最も安価ですが、経年劣化で剥がれるリスクがある為、劣化に強いペンキを使用してデータ通り手書きする手法です。
もちろん毛筆体のダイナミックな手書きも可能ですので、自由度が高く、カッティングシート貼りよりも丈夫で彫刻よりも安価なので安心してご利用頂ける手法なんです。
沢山の製作見本をご覧頂きました。様々な手法を駆使してお客様のご希望通りに製作致します。木製看板でしたら何でも榎本銘木店へご相談下さい。
昨年製作した看板も記事にしていました。こちらもぜひご覧ください→https://www.kinoita.com/archives/6712